主要5教科の学習方針

国語科

 あらゆる学問領域に関わる重要なことばの学習を、基礎づくりから応用・発展のレベルに至るまで、
順次体系的・計画的に積み上げていきます

 ことばは世界を現前させる力を持っています。無から有を生じさせ、しかし単に事物を存在させるだけでなく、世界を知覚・感受させ、秩序や構造、体系立った概念を生み、それと向き合う人を思考へと駆り立て創造へと導きます。ことばは実に多くの可能性を私たちに与えてくれます。そしてそこに介在するルールを精神的成熟の途上で経験的に一つひとつ我がものとしていく過程で、生徒たちは確実に複雑かつ高度なことばの世界に親しんでいくことができます。本校では、あらゆる学問領域に関わる重要なことばの学習を、基礎づくりから応用・発展のレベルに至るまで、順次、体系的・計画的に積み上げていくことを心がけています。


現代文

 現代文では、基本的な語彙力・抽象的な思考力・論理的な表現力などを身につけながら、自明とされる現代の事象の本質や根源的なものについて目を向ける視点の獲得を目指します。高校で教科書と併用する独自に編集したテキストには、言語・貨幣・科学・テクノロジー・世界史・近代・現代社会・芸術・表象など、今日の主要なテーマに沿った文章を採り入れています。それら各分野における徹底された議論を正確に読み取ることを通して、社会や人間全般の今日的な問題点について、自ら考える姿勢を身につけることを目的に読解を進めていきます。質の高い議論を多く読み取り、自らのものとすることで、各人の思考の質、そして表現力の向上を目指していきます。

古典

 古典では、『慣れる』『読む』ことに重点を置いた基礎に徹しながら、教材として取り上げる作品群を通して、人々のものの感じ方や生活についての理解を徐々に深めていきます。歌物語・中世の随筆、歴史物語などを学んだ後に、『源氏物語』の読解をはじめ国公立二次試験や難関私大入試問題に対応できる水準まで、読み深めていくことを目標にしています。

講習

 授業だけでなく各種講習を通しても、このような知的作業を反復することで大学入試に充分対応でき、また生涯にわたっても揺るぎのない言語体系の養成というものが可能となります。問題文の読解、小論文でのテーマに応じた思考の展開が、6年間の積み重ねによって現実的なものとなるのです。



数学科

 生徒一人ひとりの発達段階、理解度の熟成を考慮。基礎の定着を確認しつつ応用力、論理的思考の
養成を目標とした授業カリキュラムを組んでいます

 各分野の基礎部分を、期間を置いて繰り返し復習できることが大切と考えているため、本校では教科書に沿って授業を進めていきます。発達段階、理解度の熟成を考慮して授業カリキュラムを組んでいます。


中学1年

 中学・高校での数学の基礎となる、数・式の計算、式のつくり方、方程式の解法、関数の考え方などを確実に身につけられるよう、授業の中でじっくりと時間をかけて学習します。また、高校の教科書で扱われる内容も、理解度により授業や講習で紹介し、数や式に対する見方を学び、柔軟性を高めていきます。

中学2年

 前期は、図形、確率を学ぶことを通して、論理的な考え方を身につけることと表現する方法を主に学習します。後期は、式の変形方法、記号を使った数(平方根)の扱い方、2乗に比例する量などの誤解をしがちな分野を基礎から徹底して学習することにより、誤解をなくし、発展的な内容の理解につなげていきます。

中学3年

 中学内容の総まとめとして既習分野を融合した高校入試問題を扱い、応用問題への対応力(特に各分野の基礎に結びつける力)を養うとともに、理解の不充分であった分野を復習することで確実性を身につけ、より抽象化された高校数学への自然な流れをつくっていきます。後期からは、基礎の拡充、発展・応用への考え方・論理的な考え方の養成を目標として、高校内容を学習していきます。

高校1年

 三角比、関数などの大学受験で主となる分野を学習します。問題解決の方法を多角的に体得するために、分野ごとに多くの問題を解いていきます。また、通常講習では、大学受験レベルの演習を行うことで、異なる分野の知識を有機的に結びつける力を養っていきます。

高校2年

 理系、文系別に授業を行います。文系では、中学からの4年間で蓄えた進度の余裕を利用して、共通テスト、経済・経営学部の受験などで必要となる数学Bまでを学習し終えます。通常講習では、共通テストの問題演習を行い、問題を読み解く力の養成と蓄えた知識の維持を図っていきます。理系では、数学Ⅱ、(週5時間)と数学B(週3時間)を平行して学習します。時間数の多さは、問題演習と解説(特に別解の紹介)を充実することに利用し、自主的な取り組み、視点や考え方の多様化を図っています。

高校3年

 国公立文系コース(文I)は必修(週4時間)で、私立文系コース(文II)は選択(週2時間)で、入試問題の実践的な演習を行います。講習では、個々の志望に対応して、共通テスト対策、看護学部対策などの講座を設けています。理系では、6~7月で数学IIIまでを学習し終えます。実践的な入試問題演習は、数学I、II、A、B(週3時間)を4月から、数学III(週6時間)は7月から行います。答案指導、問題の読解を行い、その中で新たな考えを引き出せる力を養成していきます。また、私立理系コース(理II)では薬学部志望などの生徒に対応した数学I、II、A、B(週6時間)を数学IIIとの選択で行います。難関および首都圏国公立大学に対しては、個別の生徒に対応した講習を行っています。



英語科

 6年間を3つの段階に分けたカリキュラムを通じて、知識の育成と国際社会で活用できる英語力を
身につけていきます

 単に大学受験の1科目として捉えるのではなく、6年間の心身の発達とともに、知識の育成と国際社会でのコミュニケーションの手段としてつりあいのとれた英語力を身につけます。中学では、精選された教科書・副教材を使用し、幅広い学習内容を実践します。また、ネイティブスピーカーの指導のもと、日本と外国の生活習慣の違いがわかるような授業を展開します。帰国生入試で入学の生徒の中で希望する者には帰国生特別クラスを設けて授業を行います。高校では、教科書のほか、副教材を使用し、速読・多読を中心に大学入試に合わせて問題演習を行います。個々の進路に応じた数多くの講習(通常・夏期・冬期)を通じて、実践的な英語力を養成します。


中学1年・2年(基礎期)

 初めて学習する外国語に慣れるため、音楽やピクチャーカードを使って授業を行います。ネイティブスピーカーとの英会話の授業に慣れ、聞き取りや表現力を豊かにしていきます。その後、通常授業では、音読・基本文法を習得します。語彙力の強化と共に、シラバスに沿っての授業展開で実力養成を図ります。進度面で遅れが出た生徒には、フォロー講習を行い、全生徒が基礎学力を身につけられるよう指導します。また、10分間テストを実施し、自宅学習の定着を図ります。英語検定の4級・5級へのチャレンジを勧め、自己の達成度に重点を置いた教育を行います。

中学3年・高校1年(実践期)

 中学文法を完全に理解し、高校の内容へと進んでいく時期に、必要な語彙・文法・構文などの知識を補強し、読解中心の指導を行います。教科書のほか、副教材で多読・速読を実践し、音声面を含めて、トータルな学習を始めます。洋書講読・英語検定対策・英字新聞・リスニング講座などの講習への積極的な参加や英語検定3級・準2級・2級の取得を目標に、バランスのとれた英語力を身につけられるよう指導を行います。

高校2年・3年(発展期)

 高校の文法内容の確認と実践を目標に、大学受験中心の問題演習を行います。この時期に共通テスト問題演習・リスニングや自由英作文、パラグラフ・リーディングで個人の学力に最適な指導を行います。また、多くの講習の中から、自分の学力に応じた講習が選択できるように、担当教員から適切なアドバイスが得られるようなムードをつくっていきます。



社会科

 自発的に学習していく意識を持たせ、社会科の総合的な力を身につけていく。その課程で、大学入試を
突破する実力が養われます

 中学では、自ら学習していく姿勢をつくっていくことを目標としています。高校では、大学入試を意識した内容の授業になり、講習などを通じて問題演習の比率も高まります。しかし、社会科を自発的に学んでいくという点は中学と変わるところはありません。6年間を通じて、社会科の総合的な学力を身につけて、結果的に大学入試に対応する実力をつけていくことが社会科の目標です。


中学1年

 前期に日本地理、後期に世界地理を学習します。地球儀や地図で全体を把握し、その後は、地域ごとの学習になります。授業では、必ず各自の地図帳で国や都市の場所を確認します。さらに、白地図に色鉛筆で山・川などを書き込む等の作業をします。その上で、各地域の特徴や歴史・産業・文化などを学習します。

中学2年

 古代から現代まで、日本の歴史を中心に学習します。歴史上の重要な出来事・人物や、人々の生活がどのように変化してきたかを学習します。

中学3年

 身近な地域・家族の学習から始めて、政治分野、経済分野、国際関係を幅広く学習します。授業では、資料集やプリントを用いて政治・社会の実際の姿を確認し、統計を読み取るなど幅広い学習をします。

高校1年

 歴史総合と地理総合が必修になります。いずれも、中学で多く触れられなかった分野を詳しく学びます。

高校2年

 理系では公共、文系では3科目が必修で、社会科の総合力をつけていきます。高校2年の後期から、講習が受講できるようになり、大学入試に備えた演習を行います。

高校3年

 理系では4科目から1科目選択、文系では4科目から1または2科目を選択できます。授業は、明確に大学入試を意識した内容になり、演習も行われます。また、前期から講習を受講できますが、講座は国公立大学向けの論述対策・私立大学向けの入試問題演習やテーマ別の内容など、多岐にわたっています。



理科

 暗記ではなく、答えを導き出す考え方を養成する。それにより、高いレベルの内容も確実に理解できる
力が身につきます

 ただ単に記憶するのではなく、しっかり自分で考えることを中学理科の目標としています。普段、身の回りで起こっている、いろいろな現象を理科の現象としてとらえることができるように学習していきます。中学では物理・化学が中心のⅠ分野と生物・地学が中心のⅡ分野に大きく分かれます。高校では物理・化学・生物の3科目を中心に学習します。


中学1年

 I分野は化学、II分野は生物、地質を中心に学習します。各種の実験・観察を行い、実験方法・器具の扱い方に慣れ、またレポートの書き方についても学びます。ここで基本的な理科の考え方を身につけます。

中学2年

 I分野は生物、II分野は生物、気象を中心に学習し、身の回りの物理現象・動物に関する実験・観察を行い自分(人)を含めた周囲に目を向ける機会とします。内容的にも高校の範囲にまで踏み込んだ学習を行います。

中学3年

 I分野は物理・化学、II分野は天体について学習し、高校へつなげるための準備の学習を行います。また、中学の3年間で毎年、自由研究に取り組んでいます。これは、毎年夏に課され各自の自由な発想を表現する場であり、普段の授業で発揮しきれていない能力を見る機会としています。

高校1年

 物理基礎・化学基礎・生物基礎の3科目が必修です。3つの分野を学習することにより、理科という教科を体系的に理解し、将来の理系・文系などの各自の適性を判断できるようになります。また、高校1年で学習する内容は共通テストで大きな部分を占めているため、それに対応した演習も実施します。

高校2年

 高校2年からは理系と文系に分かれます。理系では2科目の必修、文系では1科目の必修になります。理系では国公立・私立大学受験に必要な範囲にも入り、各科目で、より高度な内容を習得します。講習の講座も増え、大学受験に向けて、より実践的な力を養成します。文系では共通テストに必要な範囲の未履修部分を終えることを目標としています。

高校3年

 高校3年の理系では各自の進路に合わせて科目を選択し、早い時期から大学入試に向けた演習を行います。また、記述や小論文の試験に対しての指導も行い、より高いレベルに到達できる力を養成します。
文系では共通テストの過去問を解き、得点力のアップを目指します。